軽自動車の廃車手続きとは?
廃車手続きとは、ナンバープレートを返納して、車両の登録と所有者の登録を抹消(削除)する事務手続きの事をいいます。
軽自動車の廃車手続きには「永久抹消」「一時抹消」「解体届出」の3種類があります。
それぞれの廃車手続きを詳しく解説します。
永久抹消登録とは?
永久抹消は名前の通り、軽自動車を二度と使用しない場合に申請する手続きで、車両本体をスクラップ(廃棄)する場合に申請する手続きです。正式名称を解体返納といいます。
永久抹消された軽自動車は、二度と再登録できません。申請の取り消しもできません。
申請の流れは、車両本体をスクラップにしたあとに、永久抹消登録を手続きします。
参考サイト:解体返納 | 軽自動車検査協会 本部
一時抹消とは?
一時抹消とは、軽自動車の使用を一時的に中止する場合に、申請する手続きです。
「海外出張で長期間、使用しない」「車を譲渡する(買取に出す)」などの際に申請します。正式名称を、自動車検査証返納届と言います。
一時抹消した軽自動車は、車検が切れて、ナンバープレートを返納するため、公道を走行できなくなりますが、翌年から課税(軽自動車税&重量税)がストップします。
再登録してナンバープレートを取得すれば、すぐに公道を走れるようになります。
参考サイト:自動車検査証返納届(一時使用中止) | 軽自動車検査協会 本部
解体届出とは?
解体届出は、すでに自動車検査証返納届(一時抹消)済みの自動車を、スクラップ(永久抹消)にする場合に申請する手続きです。
解体返納(永久抹消)と解体届出の違いは、事前に一時抹消(自動車検査証返納届)手続きをしているか?という点です。
その影響で、手続きに必要な書類や手続き方法が異なります。
また、解体返納(永久抹消)は郵送で手続きができませんが、解体届出は郵送で手続きができます。
参考サイト:解体届出 | 軽自動車検査協会 本部
軽自動車の廃車に必要な書類。一覧表
自動車検査証返納届(一時使用中止) | 解体返納(永久抹消) | 解体届出 (一時抹消済の軽自動車を永久抹消) | |
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事前に準備する書類 |
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提出先で入手できる書類 |
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※令和3年(2021年)から軽自動車の廃車手続きに、押印は不要となりましたが、書類に不備があった場合などを想定して持参するのが無難です。
※普通自動車の廃車手続きには印鑑証明書が必要ですが、軽自動車の廃車手続きに印鑑証明は必要ありません。
※軽自動車の廃車手続きに必要な書類は、個人名義・法人名義で違いはありません。
参考サイト:一時抹消、必要書類| 軽自動車検査協会 本部
車検証を紛失している場合は、車検証を再発行する必要があります。再発行の方法はリンク先から確認してください。
軽自動車の一時抹消のやり方・手続きの流れ
軽自動車の一時抹消手続きは、使用の本拠の位置(ナンバー)を管轄する軽自動車検査協会の事務所・支所・分室で申請します。
「ナンバープレート」「車検証」「申請書」を軽自動車検査協会の窓口に提出すると、30分ほどで「自動車検査証返納証明書」が発行され、税止めと税金還付の手続きを行えば、軽自動車の一時抹消手続きは完了です。
以降でくわしい流れを解説します。
軽自動車の一時抹消に必要な書類を準備する
軽自動車検査協会の事務所・支所・分室に行く前に、事前に下記書類を用意します。
≪軽自動車の一時抹消に必要な書類≫
- 車検証
- ナンバープレート(前後2枚)
- 事業用自動車等連絡書(事業用(黒ナンバー)の場合に必要)
- 申請依頼書(代理人が申請する場合に必要)
軽自動車の一時抹消に、車両の持ち込みは必要ありませんので、ナンバープレートを取り外して申請します。
軽自動車のナンバープレートは、自分で取り外して持参します。
軽自動車のナンバープレートはネジ2本で止まっています。プラスドライバーがあれば簡単に取り外すことができます。
ナンバープレートの取り外し方は下記動画を参考にしてください。
一時抹消する場所を確認する
軽自動車の一時抹消手続きは、使用の本拠の位置(ナンバー)を管轄する軽自動車検査協会の事務所・支所・分室でおこないます。管轄外の軽自動車検査協会では、手続きできません。
※使用の本拠の位置=所有者の住所のこと
軽自動車検査協会の受付時間は、平日の9:00~16:00です。土日祝日、年末年始は申請を受け付けてもらえないので注意しましょう。
仕事などの都合で、軽自動車検査協会に行けない方は、行政書士の廃車手続き代行や車買取業者の利用を検討してみてください。
費用はかかりますが、書類を郵送するだけで廃車手続きが完了します。
参考サイト:全国の軽自動車検査協会の事務所・支所
ナンバープレートを返納する
手続きする軽自動車検査協会に到着したら、ナンバー返却窓口へナンバープレート前後2枚を返却します。
ナンバープレートを返却すると、軽自動車税申告書が発行されます。
税止め申請をする
受け取った軽自動車税申告書に必要事項を記入して、軽自動車検査協会の敷地内にある自動車税事務所の地方税申告窓口に提出します。
書類が受理されれば、翌年以降の軽自動車税の課税がストップします。
参考サイト:一時使用中止もしくは解体返納すれば、自動的に軽自動車税(種別割)の課税も停止しますか。 |軽自動車検査協会
申請手数料の支払い
軽自動車検査協会場内の手数料納付窓口で、自動車検査証返納証明書交付申請手数料の350円を支払います。
参考サイト:申請手数料| 軽自動車検査協会 本部
軽第4号様式を記入する
廃車申請の窓口で入手できる、「自動車検査証返納証明書交付申請書・自動車検査証返納届出書(軽第4号様式)」を記入します。
記入台に記入例があるので、サンプルを見ながら記入してください。
車台番号など車両に関する情報はすべて車検証に記載されています。
軽自動車検査協会窓口に書類一式を提出する
書類の記入が終わったら、窓口に書類一式を提出します。
書類と引き換えに番号札が渡されますので、番号が呼ばれるまでロビーで待機します。
廃車の証明書類を受け取る
20~30分ほどで番号が呼ばれますので、番号札と引き換えに自動車検査証返納証明書を受け取ります。
交付された書類に記載ミスなどがなければ、軽自動車の廃車手続き(一時抹消)は完了です。
自動車検査証返納証明書は、廃車にした軽自動車を再登録する際に必要です。
自動車検査証返納証明書は、基本的に再発行できないので、なくさないように注意してください。
一時抹消した軽自動車を、譲渡する際に必要な書類や手続きは、軽自動車の名義変更から確認できます。
軽自動車の廃車手続き(永久抹消登録)の流れ
すでに車両を処分(スクラップ)済の状態で、廃車手続きを行う「解体返納」について解説していきます。
※手続きの順番は、地域によって異なる場合があります。
車両を処分(スクラップ)する
軽自動車の解体返納(永久抹消)を申請するには、使用済自動車引取証明書が必要になります。
使用済自動車引取証明書は、軽自動車をスクラップ業者に引渡した際、引取業者から交付されます。
ですので、廃車手続きの前に軽自動車本体を処分(スクラップ)します。
※解体費は、解体業者や車両の状態などによって異なるようですが、1万~2万円位が相場のようです。
軽自動車の永久抹消に必要な書類を準備する
車両の処分が完了したら、軽自動車検査協会に行く前に、下記書類を用意します。
≪軽自動車の永久抹消に必要な書類≫
- 車検証
- ナンバープレート(前後2枚)
- 使用済自動車引取証明書(リサイクル券番号が記入されたもの)
- 個人番号カード または 通知カード
- 事業用自動車等連絡書(事業用(黒ナンバー)の場合に必要)
- 申請依頼書(代理人が申請する場合に必要)
永久抹消登録の手続きする場所を確認する
軽自動車の永久抹消は、軽自動車を登録している軽自動車検査協会の事務所・支所でおこないます。
車検証に記載されている所有者の住所を管轄している軽自動車検査協会の事務所・支所が手続きをする場所になるので、全国の軽自動車検査協会の事務所・支所から対象の事務所・支所を確認します。
軽自動車検査協会の受付時間は、平日の9:00~16:00です。土日祝日、年末年始は申請を受け付けてもらえないので注意しましょう。
ナンバープレートを返納する
手続きする軽自動車検査協会に到着したら、ナンバー返却窓口へナンバープレート前後2枚を返却します。
ナンバープレートを返却すると、軽自動車税申告書が発行されます。
税止め申請をする
受け取った軽自動車税申告書に必要事項を記入して、軽自動車検査協会の敷地内にある自動車税事務所の地方税申告窓口に提出します。
書類が受理されれば、翌年以降の軽自動車税の課税がストップします。
解体届出書(軽第4号様式の3)を記入する
解体返納の申請窓口で、解体届出書(軽第4号様式の3)を入手して、記入します。
記入方法は参考サイトを確認するか、軽自動車検査協会の記入台に設置されている記入例を参考に記入します。
車名や車台番号などは、車検証の通りに記入します。
参考サイト:軽第4号様式の3の記入例
軽自動車検査協会窓口に書類一式を提出する
書類の記入が終わったら、窓口に書類一式を提出します。
≪窓口に提出する書類≫
- 使用済自動車取引証明書(移動報告番号・解体報告登録日の記入、捺印がされたもの)
- 解体届出書(軽第4号様式の3)
- 車検証
- 軽自動車税申告書
自動車重量税の還付がない場合は、書類を提出すれば、永久抹消の手続きは完了です。
車検が1ヶ月以上残っている場合は、自動車重量税の還付が受けられますので、書類と引き換えに番号札が渡されます。番号が呼ばれるまでロビーで待機します。
※軽自動車の解体返納(永久抹消)の申請手数料は無料です。
参考サイト:申請手数料| 軽自動車検査協会 本部
自動車重量税の還付申請をする
車検の有効期限が1ヶ月以上残っている場合、自動車重量税の還付を申請する「自動車重量税還付申請書」が交付されます。
書類提出後、20~30分ほどで番号が呼ばれますので、番号札と引き換えに自動車重量税還付申請書を受け取ります。
自動車重量税還付申請書に、還付金の振込先の口座番号等を記入して、再提出すると自動車重量税の還付が受けられます。
参考サイト:自動車重量税還付申請書記載のポイント
自動車重量税還付申請書を再提出すると、軽自動車の解体返納が完了となります。
※自賠責保険の有効期限が残っている場合は、自動車重量税と同じように還付が受けられますので、自賠責保険の解約手続きも忘れずに。
※軽自動車の永久抹消が完了している証明書(検査記録事項等証明書)を発行する場合は、発行手数料300円が必要です。
参考サイト:検査記録事項の証明 | 軽自動車検査協会 本部
一時抹消済の軽自動車を永久抹消する手続き(解体届出)の流れ
すでに自動車検査証返納届(一時抹消)の手続きを行い、再登録しないまま軽自動車をスクラップ(解体)にした場合に申請する「解体届出」の手順を解説します。
基本的な手続きの流れは、解体返納(永久抹消)と同様で、申請前に車両をスクラップにする必要があります。
車両を解体業者に解体してもらう
一時抹消済の軽自動車を永久抹消するには、申請手続きの前に車両を処分(スクラップ)する必要があります。
スクラップ業者に引き取りを依頼するが、自分でスクラップ場に車両を持込みましょう。
※解体費は、解体業者や車両の状態などによって異なるようですが、1万~2万円位が相場のようです。
解体届出に必要な書類を準備する
軽自動車をスクラップ業者に引き渡すと、スクラップ業者から使用済自動車引取証明書という書類が交付されます。
使用済自動車引取証明書にリサイクル番号を記入したものが、解体届出の申請に必要になります。
※リサイクル番号はリサイクル券で確認できます。
≪事前に用意する必要書類≫
・使用済自動車引取証明書(リサイクル番号の記入が必要)
・申請依頼書(手続きを代行してもらう場合のみ必要)
解体届出書(軽第4号様式の3)を記入する
手続きする軽自動車検査協会の事務所・支所・分室に到着したら、申請窓口で解体届出書(軽第4号様式の3)を入手し、記入します。
軽自動車検査協会の窓口に書類一式を提出する
解体届出書を記入したら、必要書類一式を軽自動車検査協会の窓口に提出します。
≪窓口に提出する書類≫
- 使用済自動車引取証明書
- 解体届出書(軽第4号様式の3)
- 申請依頼書(代理人が申請する場合のみ)
自動車重量税の還付がない場合、書類が受理されれば解体届出の手続きは完了です。
自動車重量税の還付を受けられる場合は、書類提出後に自動車重量税還付申請書が交付されます。
自動車重量税の還付申請をする
交付された自動車重量税還付申請書を記入して、同じ窓口に提出すると自動車重量税の還付申請が完了します。
※自動車重量税還付申請書の記入方法は参考サイトから確認してください。
自動車重量税還付申請書を提出すれば、軽自動車の解体届出が完了となります。
参考サイト:自動車重量税還付申請書記載のポイント
軽自動車の廃車手続きにかかる費用
内訳 | 合計 | |
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一時抹消 | 申請手数料:300円 | 300円 |
永久抹消 | 申請手数料:無料 車両の処分(スクラップ)費用: レッカー代金: | |
解体届出 | 申請手数料:無料 車両の処分(スクラップ)費用: レッカー代金: |