排気量が126cc~250ccバイク・スクーターは軽二輪バイクに分類され、すべて同じ方法で名義変更できます。
そんな250ccバイク・スクーターの個人売買や譲渡を行った際にする「名義変更」に必要な書類と手続き方法について解説しています。
※廃車済のバイクを名義変更する手続きを中古新規登録。廃車にしていないバイクを名義変更する手続きを移転登録といいます。このページで両方解説してます。
250ccバイクの名義変更は、自分ですれば費用は500円程度ですし、一日で名義変更が完了するので、安く抑えたい人はチャレンジしてみてください。
名義変更に必要なもの
譲渡された250ccバイクを名義変更する場合、すでに廃車になっているバイクを再登録する中古新規登録と250ccバイクを廃車にせず名義変更する移転登録の2パターンがあります。
それぞれ必要な書類が異なりますので、以下でまとめて掲載します。
- 軽自動車届出済証
- ナンバープレート
- 譲渡証明書
- 自賠責保険証明書
- 新所有者の住民票(発行3か月以内のもの。コピー可)
- 委任状(登録を第三者に依頼する場合に必要)
- OCR1号様式シート(申請書)
- 手数料納付書
- 軽自動車税申告書
- 軽自動車届出済証返納済確認書
- 譲渡証明書
- 新所有者の住民票(発行3か月以内のもの。コピー可)
- 自賠責保険証明書
- 委任状(登録を第三者に依頼する場合に必要)
- OCR1号様式シート(申請書)
- 手数料納付書
- 軽自動車税申告書
参考サイト:名義変更 – 関東運輸局
- 軽自動車届出済証
- ナンバープレート
- 譲渡証明書
- 自賠責保険証明書
- 譲渡証明書
- 商業登記簿謄本・抄本 (発行日から3ヶ月以内のもの)
- 事業用自動車等連絡書(事業用ナンバーまたはレンタカーの場合)
- 委任状(登録を第三者に依頼する場合に必要)
- OCR1号様式シート(申請書)
- 手数料納付書
- 軽自動車税申告書
軽自動車届出済証
250ccバイクには車検がないので、車検証はありません。
代わりに軽自動車届出済証という書類が、250ccバイクの車検証にあたる書類です。
軽自動車届出済証は、バイクをナンバー登録した際に、運輸支局から発行される書類です。
携帯義務があるので、バイクのシート下に入っていることが多いです。
軽自動車届出済証には、旧書式(画像上)と新書式(画像下)の2種類がありますが、どちらの書式の軽自動車届出済証でも、名義変更ができます。
軽二輪バイクの名義変更には、軽自動車届出済証の原本が必要です。
軽自動車届出済証返納済確認書
軽自動車届出済証返納済確認書は、250ccバイクの廃車証明書のようなもので、ナンバープレートを返納した際に運輸支局から発行される書類です(画像のオレンジの書類)。
軽自動車届出済証返納済確認書がある場合、ナンバープレートと軽自動車届出済証は、運輸支局に返納しているため、名義変更には必要ありません。
廃車済みバイクの場合、上記の書類がないと、名義変更ができませんので、旧所有者から必ずもらってください。
また、上記の書類はコピーでなく、必ず原本が必要です。
譲渡証明書
譲渡証明書は、前オーナーが作成して、新オーナーに渡す書類です。
250ccバイクの名義変更には、譲渡証明書が必ず必要です。
譲渡証明書は、運輸支局のwebサイトからダウンロードしたものが使用できます。
印刷の際は、拡大や縮小などは行わずに、A4サイズで印刷して使用します(切り取りなども必要ありません)。
※A4用紙にA5サイズで書かれていますが、この書式が国土交通省が指定している、正しい様式です。
譲渡証明書に有効期限はありませんが、バイクは譲渡されてから15日以内に名義変更するように道路交通法で決められているので、譲渡されてから15日以内に手続きしてください。
自賠責保険証明書
250ccバイクの名義変更には、有効期限内の自賠責保険証書が必要です。
自賠責保険証書は、自賠責保険を契約した際に契約の保険会社から発行される書類です。
自賠責保険証書は、携帯義務があるので、軽自動車届出済証と一緒に、バイクのシート下に入っていることが多いです。
期限内の自賠責保険証書があれば、名義人がだれでも名義変更ができますので、前オーナーの自賠責保険が1ヶ月でも残っていれば、そのまま引き継いで名義変更ができます(自賠責保険の名義変更が別途必要)。
ナンバープレート
県外(管轄外)のバイクを名義変更する場合は、ナンバーが新しいものに変更になります。
バイクからナンバープレートを自分で取り外して、書類と一緒に持参しましょう。
ナンバープレートは固定している2本のネジを外せば、簡単に取り外せます。
≪ナンバープレートの外し方≫
自賠責保険のステッカーは、運輸支局では再発行できませんので、事前に剥がしておきましょう。
自賠責保険ステッカーの再発行は、加入している保険会社の「営業所」か「郵送」で手続きして、入手できます。
参考サイト:証明書やステッカーを再発行したい | 東京海上日動火災保険
住民票
250ccバイクの名義変更には、新所有者の住民票が必要です。
名義変更に使用する住民票の有効期限は、発行から3ヵ月以内です。
※住民票に・本籍地・世帯主名・続柄・マイナンバー・住民票コードの記載は必要ありません。
住民票は、住民登録をしている市区町村の役所窓口で入手できますが、広域交付住民票なら全国どこの市役所でも住民票が申請できます。
また、マイナンバーカードを持っている方は、コンビニでも住民票を発行できます。
参考サイト:住民票の写しの請求(窓口請求) | 調布市
住民票・印鑑登録証明書・戸籍証明書等のコンビニ交付サービス | 調布市
コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付【コンビニ交付】 | 証明書の取得方法
委任状(本人以外が名義変更する場合に必要)
バイクの名義変更を、本人以外の第3者に依頼する場合、新所有者が作成した委任状が必要です。
新所有者本人がバイクの名義変更を申請する場合、委任状は不要です。
委任状は運輸支局のwebサイトからダウンロードしたものを使用します。
印刷の際は、拡大や縮小などは行わずに、A4サイズで印刷して使用します。
- 友人や家族に手続きを頼む場合
- 行政書士に手続きの代行を依頼する場合
- 所有者と使用者が違う場合
軽二輪1号様式OCRシート(申し込み用紙)
1号様式OCRシートは陸運支局の窓口で入手することができます。
受付する際に記入済のOCRシートを提出する必要があるので、陸運支局に到着したら、まずはOCRシートを記入しましょう。
手数料納付書
手数料納付書は陸運支局の窓口で入手することができます。
軽二輪(250cc)の手数料は無料ですので、記入して運輸支局の窓口に提出するだけです。
手数料納付書の記入例
手数料納付書に記入する場所は、以下の3ヶ所です。
- 自動車登録番号または車台番号
軽自動車届出済証に記載されている「自動車登録番号」か「車台番号」を記入する - 所有者または使用者の氏名
新しい所有者か新しい使用者の氏名を記入する - 申請人または申請代理人の氏名
窓口で手続きする人の氏名・電話番号を記入する
- 自動車登録番号または車台番号
軽自動車税申告書
軽自動車税申告書は運輸支局に隣接する、税事務所で入手できます。
なお、名義変更の際に、軽自動車税を納税する必要はありません。
後ほど送られてくる納付書で、納税を行います。
また、250ccバイクの税額は2016年4月1日から軽自動車税の法改正により、以下の様に変更になっています。
- 251cc以上のバイク:6,000円
- 126ccから250ccのバイク:3,600円
- 91ccから125ccの原付:2,400円
250ccバイクの名義変更する場所ってどこ?
軽二輪バイクに分類される150cc・200cc・250cc中型バイクの名義変更は「新所有者の住所登録している地域を管轄している運輸支局または自動車検査登録事務所」で手続きします。
例)東京都港区の場合は、港区を管轄している品川運輸支局で名義変更の申請をします。
参考サイト:全国の運輸支局・自動車検査登録事務所の管轄一覧
自分のバイクの排気量は、ナンバープレートか軽自動車届出済証で確認できます。
軽自動車届出済証に記載されている「排気量又は定格出力」が126cc~250ccだった場合、そのバイクは軽二輪バイクになります。
軽二輪バイクのナンバープレートはサイズが、普通自動車のナンバープレートより一回り小さく、緑のフチドリがありません。
上記画像の様に、白いナンバーで緑の縁取りのないナンバープレートが軽二輪バイク。
緑の縁取りがあるナンバープレートが、大型バイクになります。
名義変更の手続き
step1:新しい所有者へバイク本体・名義変更に必要な書類を引き渡す
旧所有者は、バイク本体と共に、下記の必要書類を新所有者に渡します。
- 中古新規登録(廃車済)の場合:「軽自動車届出済証返納済確認書」「譲渡証明書」
- 移転登録(廃車にしない)の場合:「軽自動車届出済証」「ナンバープレート」「譲渡証明書」「自賠責保険証明書(譲渡する場合のみ)」
バイクにかけられている自賠責保険も譲渡する(引き継ぐ)場合は、ナンバープレートに付いている「自賠責保険シール」と「自賠責保険証明書」のほか、旧所有者の実印および必要事項が記載された「自賠責保険承認請求書(異動承認請求書)」と印鑑証明書も渡します。
※自賠保険は解約すれば保険料の還付が受けられるので、名義変更が面倒な方は解約して譲渡する方法もあります。
自賠責保険の名義変更手続きに関しては後述します。
step2:新所有者が名義変更に必要な書類を準備する
旧所有者からバイク本体と名義変更に必要な書類を受け取ったら、新所有者が「住民票」「認印」「委任状(手続きの代理を依頼する場合のみ)」を用意します。
step3:バイクの名義変更する場所を確認する
排気量125超cc~250cc中型バイクの名義変更申請は、「新所有者の自宅住所を管轄している運輸支局または自動車検査登録事務所」でおこないます。
例)東京都港区の場合は、品川運輸支局で名義変更の申請をします。
都合により住民票の住所と別の場所に住んでいる場合でも、住民票のある住所を管轄している運輸支局でしか名義変更手続きはできないので、間違えないように注意が必要です。
住民票の住所を管轄している運輸支局は下記、参考サイトから確認できます。
参考サイト:全国の運輸支局・自動車検査登録事務所の一覧
step4:新オーナーがバイクの名義変更手続きをする
バイクの名義変更は当日に完了します。
名義変更を申請する運輸支局に到着したら、名義変更に必要な下記書類を軽二輪窓口に提出します。
- 中古新規登録(廃車済)の場合:「軽自動車届出済証返納済確認書」「譲渡証明書」「自賠責保険証明書」「新所有者の住民票」「OCR1号様式シート(申請書)」「手数料納付書」
- 移転登録(廃車にしない)の場合:「軽自動車届出済証」「ナンバープレート」「譲渡証明書」「自賠責保険証明書」「新所有者の住民票」「OCR1号様式シート(申請書)」「手数料納付書」
20分ほど待つと、新所有者名義の「軽自動車届出済証」が発行されます。 発行された軽自動車届出済証と軽自動車税申告書を税金窓口に提出すると、新しいナンバープレートが交付されます。新しいナンバープレートを受け取れば、250ccバイクの名義変更は完了です。
※ナンバー取得にかかる時間は通常30分程度ですが、初めての方や運輸支局が混雑している場合は、数時間程度かかる場合もあります。 ここまで紹介した250ccバイクの名義変更で「自分には難しそう」「オークションのバイクはどうしたらいい?」と感じる方は、郵送で新しいナンバーが届く行政書士の名義変更代行サービスをご利用ください。
step5:自賠責保険を名義変更する
バイクと一緒に自賠責保険も譲渡する場合は、バイクの名義変更完了後に自賠責保険の名義変更を申請します。
自賠責保険の名義変更は、加入している自賠責の保険会社の支店で申請します。
※新オーナー、旧オーナーどちらでも手続きできます。
「自賠責保険承認請求書(譲渡人・譲受人双方の押印されているもの)」「自賠責保険証明書」「新オーナー名義の軽自動車届出済証のコピー」「譲渡意思の確認ができる書類」を準備して、保険会社の窓口で名義変更手続きを申請します。 30分ほどで手続きが完了し、新所有者名義の「自賠責保険証明書」が発行されます。
※譲渡意思の確認ができる書類:旧所有者の印鑑証明書のコピー または 旧所有者の本人確認書類のコピー(免許証、保険証など)
自賠責保険の申請手数料は無料ですが、印鑑証明書で手続きする場合は交付費用300円程度がかかります。
参考サイト:名義が変わった(権利譲渡) | 自賠責保険(強制保険) | お客様サポート | 東京海上日動火災保険 各種Q&A:自賠責保険(共済)に関すること:異動に関するよくある質問ー国土交通省
営業店のご案内|店舗のご案内|東京海上日動について|東京海上日動火災保険
名義変更後に市役所で税止めが必要?
運輸支局の敷地内に併設されている、税関連の施設で名義変更と同時に、税金の手続きも完結できます。
ですので基本的には、名義変更の手続きが完了すれば、市役所で税止め申請の手続きは必要ありません。
ですがバイクを廃車にせず、ナンバーを引き継いでそのまま名義変更した場合、稀に名義変更完了後も旧所有者に課税が続いてしまう場合があります。
その場合は、旧所有者が住民登録をしている市区町村の市役所宛てに、名義が変更が完了している軽自動車届出済証のコピーと税申告書のコピーを郵送する必要があります。
この税止め手続きをしないと、バイクの名義変更が完了していても旧所有者の市町村からバイクの税金が止まりません。
参考サイト:250cc軽二輪バイクの名義変更に詳しい方! – 県外の方に譲渡しナンバーが変… – Yahoo!知恵袋
大型バイクの税止めについて質問です。 – 二月末に県外の方に、バイ… – Yahoo!知恵袋
ナンバーそのままで名義変更できないの?
250ccバイクは、運輸支局の管轄が変わらない場合のみ、ナンバープレートそのままで名義変更ができます。
ただし、一度廃車(一時抹消)にしてしまうと、管轄が変わらない場合でも、ナンバープレートは新しいものに変更になります。
自賠責保険が切れていると名義変更できないの?
軽二輪バイクに分類される150cc・200cc・250cc中型バイクは、自賠責保険が切れていると名義変更ができません。
もし期限内の自賠責保険証書がない場合は、新オーナーが新規で自賠責保険に加入してから、名義変更の手続きを申請します。
バイクの自賠責保険は、バイクの販売店、保険会社、コンビニ、運輸支局などで加入することができます。
参考サイト:バイク自賠責保険|ファミリーマートで入れる保険(東京海上日動)
バイク自賠責保険 | セブン‐イレブンで入る保険(三井住友海上)
<排気量125cc超~250ccバイクの自賠責保険料一覧>
加入期間 | 保険料 | 1年あたりの保険料 |
---|---|---|
1年 | 7,540円 | 7,540円 |
2年 | 9,770円 | 4,890円 |
3年 | 11,960円 | 3,990円 |
4年 | 14,110円 | 3,530円 |
5年 | 16,220円 | 3,240円 |
※自賠責保険の保険料は、すべての保険会社で共通。
参考サイト:【公式】損保ジャパン
ローンで購入したバイクを名義変更する際の注意点
ローンで購入したバイクを名義変更する場合は、所有権が解除されていることを確認してください。
所有権とは、バイクの所有者が信販会社になっている状態のことで、
所有権が解除されていないバイクは、所有権を解除するか、所有者からの譲渡証明書がないと名義変更ができません。
ローンで購入したバイクは、ローンが払い終わっていても、自動的に所有権が解除されないので、ローンで購入されたバイクを個人売買で購入する場合は注意が必要です。
また、ローン支払い中のバイクは、ローンの支払いが完了するまで売買することができません。
名義変更に印鑑証明は必要ない?
250ccバイクの名義変更に印鑑証明は必要ありません。
車の名義変更に、印鑑証明と実印が必要なので、バイクの場合も同じと勘違いされがちですが、バイクの名義変更に印鑑証明は必要ありません。
また2021年からは、譲渡証明書・委任状への認印の押印も必要なくなりました。
法人名義のバイクを名義変更する場合は、依然として印鑑証明と法人の代表印のある譲渡証が必要になります。
名義変更に納税証明書は必要ない?
250ccバイクの名義変更に、納税証明書は必要ありません。
納税証明書は、バイク車検の際に必要になる書類ですが、250ccバイクには車検がないので、納税証明書が手続きで必要になる場面はありません。
また、旧所有者が軽自動車税を滞納していた場合も、納税証明書などの書類がなくても名義変更ができます。